災害時の通信インフラ維持に向けた風力発電機の実用化実証開始(石川県金沢市)
地域:石川県金沢市
設置場所:アストモスエネルギー 金沢ターミナル(LPガス受け入れ二次基地)
製品:Type A(風力発電定格出力100W)(オプション:衛星通信機ExBird(スカパーJSAT社製))
設置時期:2024年8月
■ 導入の背景
- 風車導入前に抱えていた課題
2024年1月1日に発生した能登半島地震は、石川県を中心に甚大な被害をもたらし、通信インフラにも深刻な影響を与えました。通信各社は、災害対策の一環として可搬型基地局や移動電源車の配備、基地局バッテリーの長時間化などの対策を行っておりましたが、道路の寸断など想定を超える事態もあり、各社による応急復旧は2週間超を要し、通信が途絶された孤立集落化が問題となりました。
- 災害対策としての風車とLPガスの組み合わせ
そこで、資本業務提携先であるアストモスエネルギー社と協業し、同社が取り扱う自立稼働が可能なため災害に強い分散型エネルギーであるる「LPガス」と、当社の平時より蓄電できる「次世代マイクロ風力発電機」を組み合わせることで、より災害に強いエネルギー供給体制の構築を目指し、9月9日よりアストモスエネルギー金沢ターミナルにおいて、次世代マイクロ風力発電機Type Aを用いた実証実験を開始しました。さらに、スカパーJSAT社の衛星通信を組み合わせることで、災害時の通信インフラ維持にむけた商品化を目指します。
▲Type Aとオプションの機器(衛星通信機ExBird、ポータブル発電機、LPガス発電機)
▲ 金沢ターミナルに設置されたType Aの様子
■ 実証内容
今回設置した次世代マイクロ風力発電機Type Aは金沢のような寒冷地に適した仕様で積雪時にも発電ができ、2.4kWhの蓄電池を備えています。当該実証においては衛星通信用アンテナの連続稼働100時間、スマホ充電100台分、ポータブル電源を活用した避難所での電力利用など、発災直後から電力復旧までの2週間の通信インフラを維持し、ライフラインを支えることを目指します。
また、積雪があり沿岸に立地しているという金沢ターミナルの地理的な特性を活かし、寒冷地、臨海部による塩害影響、日本海側特有の気象条件下での発電能力・耐久性の確認を行い、今後の風力発電量の増加にもつなげます。
▲ アストモスエネルギー社 金沢ターミナル
■ メッセージ
- アストモスエネルギー 上席執行役員 栗原 好宏 氏
自然災害の多い日本において、発災時にも避難所などでの生活で地域住民の方が不便することがないように、災害に強い分散型エネルギーである弊社のLPガスと、チャレナジー社の風力発電を組み合わせ、さらに衛星通信を搭載することで、通信インフラを維持し、今後もよりレジリエンスなエネルギーと通信の供給体制の構築を目指して参ります。
▲ アストモスエネルギー社 栗原 様
参考URL:
災害時用の“次世代マイクロ風車”設置完了式典を開催(2024年9月10日)
金沢市に災害時の通信インフラ維持にむけた「次世代マイクロ風車」を設置(2024年8月29日)