チャレナジー、寒冷地のレジリエンス強化につながる可搬式基礎型「小型風力発電機」を北海道へ初導入
2025年9月10日
株式会社チャレナジー(本社:東京都墨田区、代表取締役:清水敦史、以下 当社)は、北海道では初導入となる寒冷地向け小型風力発電機を岩見沢市に設置いたしました。設置工事は2025年8月27日に完了し、同年9月10日にお披露目会が開催されました。
今回設置した「小型風力発電機」は可搬式基礎と組み合わせており、移設が容易であることから、工事現場等における期間限定の電源として活用可能です。これにより、さまざまな現場でのCO₂排出削減や環境負荷低減への貢献が期待されます。

▲ 設置された可搬式基礎型「小型風力発電機」(写真左)
■ 開発背景
北海道における再生可能エネルギー利用における課題
集中豪雪や北海道への台風上陸といった異常気象の頻度が高まる中、北海道における気候変動対策は喫緊の課題です。温暖化対策には多様な取り組みが求められますが、その一つとして再生可能エネルギーの普及が注目されています。
一方で、北海道をはじめとする寒冷地での再生可能エネルギーの導入には課題も残されています。一般的に、太陽光発電は積雪による発電量の低下や設備破損のリスクがあり、従来の風力発電ではブレード(羽根)への着氷・着雪による破損や、鳥類の衝突(バードストライク)が問題となっています。
こうした課題に対応するため、降雪時も発電可能で、着氷・着雪しにくく、低回転でバードストライクのリスクを低減できる小型風力発電機を開発しました。
■ 本機の概要
寒冷地向け小型風力発電機は、羽根のないサボニウス式を採用しています。当社が独自に特許を取得したサボニウス式風車は垂直軸構造のため、積雪しにくいのが特長です。さらに、特殊塗料により、羽根部分に着氷・着雪しにくく、風車回転に伴う「アイススロー(※)」のリスクを大幅に低減しています。
今回、可搬式基礎と組み合わせることで、風車を必要な時に必要な場所へ移設することが可能となりました。さらに、コンクリート養生期間が不要のため、施工期間の大幅な短縮を実現しています。
※ アイススロー:風車に付着した氷が回転により周囲に飛び散る事象。風車周囲の施設への損害や、通行人に被害を及ぼす危険性がある。
■仕様
寸法・重量
サイズ:3.5m(縦) x 3.5m(横) x 5m(高さ)
支柱形状:角柱(バッテリー、コントローラーは支柱内に装備)
質量:約5t(本体約500kg)
定格出力
風力発電 100W
太陽光発電 200W(定格100Wを2枚設置)
■ 株式会社チャレナジー 代表取締役 清水 敦史 コメント
当社では、野生生物や環境との調和を前提とした設計思想に基づいた風力発電機を開発しています。
今回の北海道での導入を契機に、寒冷地域が抱える課題解決に資する小型風力発電機を普及させることで、再生可能エネルギーと自然環境との共生を実現してまいります。
■ 株式会社チャレナジー 会社概要
福島の原発事故を機に日本のエネルギー問題に注目し、世界的にも気象条件が厳しい日本での風力発電の普及を目指して、風向・風速の変化に強い風力発電機の開発を進めています。
当社は「風力発電にイノベーションを起こし、全人類に安心・安全なエネルギーを供給する」をミッションに掲げ、再生可能エネルギーの未来を切り拓く技術開発と社会実装に挑み続けています。
https://challenergy.com