チャレナジー、JICA「中小企業・SDGsビジネス支援事業-基礎調査-」に採択
2021年12月20日
台風もエネルギーに変える「垂直軸型マグナス式風力発電機(以下 マグナス風車)」を開発する株式会社チャレナジー(本社:東京都墨田区、代表取締役:清水敦史、以下 当社)は、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)の2020年度第二回「中小企業・SDGsビジネス支援事業-基礎調査-」にマダガスカルを対象国とした提案を行い、「垂直軸型マグナス式風力発電機による発電インフラ構築基礎調査」が採択されました。 2021年10月にJICAと業務委託契約を締結し、11月から本格的な現地調査を開始しました。
■サイクロン好発地域において「安定した電力供給」を目指す
マダガスカルの電化率は25%にとどまり、アフリカ諸国の中でも低い水準となっています。首都と第二都市においては送電網の構築が進められていますが、地方部では、未だ未電化の地域が多く存在しています。現在、マダガスカル政府は「新エネルギー政策」を策定し、2030年までに全世帯の70%まで電化率をあげ、85%の電源を再生可能エネルギーにすることを掲げています。このような政策的な方針により、電力供給手段として未電化地域では太陽光・風力・小水力発電等の再エネを活用した電源設備の導入ニーズが高まっています。
また、マダガスカルはサイクロンが多発するインド洋地域に位置しており、アフリカ地域で最多のサイクロンが襲来し、毎回75万人近くが被災していると言われています。特に北東部はサイクロンの襲来頻度が高く、災害時も電力がないことで、災害対応に多大な影響を受けています。このような背景から、同国のサイクロン襲来リスクの高い未電化地域においてはマグナス風車が発電設備として適していると考えられます。
よって、サイクロン好発地域であるマダガスカル北部を対象に、「マグナス風車による発電インフラ構築に関する基礎調査」を実施いたします。本事業を通じサイクロン等の強風下でも発電可能な同風力発電機のビジネス展開可能性を調査し、平常時及び災害時における持続的な電力供給とマダガスカル地方部の電化率向上への貢献を目指します。
■貢献を目指すSDGsのゴール
この度採択された基礎調査では、以下の持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献を目指します。
- 貧困削減【1】 :地方の電化拡大により産業促進による雇用創出から貧困層の生計向上に貢献する。
- エネルギー【7】:環境負荷の低い再エネを活用し地方部でのエネルギー供給に貢献する。
- 気候変動【13】 :災害に強い風力発電で自然災害に対するレジリエンス、適応性の強化に貢献する。
■垂直軸型マグナス式風力発電機について
垂直軸型マグナス式風力発電機は、マグナス力と垂直軸を組み合わせた、プロペラのない次世代型風力発電機です。プロペラによる揚力ではなく、円筒の回転で発生するマグナス力を利用することで、制御できる風速域が広いのが特徴です。
【特徴1】「マグナス力」の利用により発電できる風速域が広く、強風や台風時においても発電可能
回転する円筒翼を用いて、気流中で円筒翼を自転させたときに生じる「マグナス力」を利用して発電いたします。マグナス力の大きさは、円筒翼の自転数によりリアルタイムに調整できるため、風速に応じて円筒翼の自転数を制御することで風車全体の回転数を制御し、強風による暴走を起こりにくくします。そのため従来のプロペラ風車の多くが最大風速25m/秒で発電停止するのに対し、マグナス風車は最大風速(10 分平均)40m/秒、風車が耐え得る最大風速は70m/秒(3秒平均)に設計されており、プロペラ風車では対応できない環境下で稼働できます。
【特徴2】垂直軸型により風向に依存せず発電可能
垂直軸型により風向に依存せず発電できるので、プロペラ風車のように風向きに合わせる必要がなく、激しく風向が変化しても一定の稼働率を維持できます。風速や風向が頻繁に変化する環境においても設備利用率を30%以上まで高めることが可能です。
■会社概要
福島の原発事故をきっかけに日本のエネルギー問題に着目し、世界的にも気象環境の厳しい日本において風力発電を普及させるべく、風向風速の変化に強い垂直軸型マグナス式風力発電機の開発を行っています。 ”風力発電にイノベーションを起こし、全人類に安心安全なエネルギーを供給する”
https://challenergy.com