2016年11月17日
株式会社チャレナジーは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する平成28年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャー(STS)に対する事業化支援」に採択されるとともに、合同会社ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタルが運営するリアルテックファンドを引受先とした第三者割当増資により、資金調達を実施いたしました。
今回の助成金採択および資金調達、ならびに過去に実施したエンジェルラウンド等の資金調達で得た総額1.5億円の開発資金により、10kW機にかかるコア技術の開発を行い、10kW機の事業化を加速させていきます。
詳細は下記をご覧ください。
記
助成金採択および資金調達のお知らせ
- 総額1.5億円の開発資金により10kW機の事業化を加速 -
次世代風力発電機「垂直軸型マグナス風力発電機」を開発する株式会社チャレナジー(本社:東京都墨田区、代表取締役:清水敦史、以下、「当社」という。)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、「NEDO」という。)が公募した平成28年度「研究開発型ベンチャー支援事業/シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」に平成28年11月14日付で交付決定を受けました。さらに、当該交付決定の要件である、NEDOが認定するVC等(以下、「認定VC」という。)の出資を受けることについて、合同会社ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル(本社:東京都港区、代表業務執行役:永田暁彦)が運営するリアルテックファンド1号投資事業有限責任組合(以下、「リアルテックファンド」という。)を引受先とした第三者割当増資により、資金調達を実施いたしました。
1.採択された助成事業および助成内容
今回採択された助成金は、NEDOが、具体的な技術シーズを活用した事業構想を持ち、認定VCより、NEDOに申請する助成金の15/85以上の金額の出資を受ける「シード期の研究開発型ベンチャー」(「Seed-stage Technology-based Startups」。以下、「STS」という。)に対し助成を行うものです。
採択された助成事業および助成内容は以下のとおりです。
・助成事業の名称:台風下でも安定して発電できる次世代風力発電機の10kW機事業化
・事業期間:交付決定日〜2017年10月末日
・助成率:助成対象費用の85%以下
・助成額:原則7,000万円まで
2.当社の開発実績
当社は、世界で初めて「垂直軸型マグナス風力発電機」(以下、「本風力発電機」という。)を実用化し、原発に依存しない社会を実現するとともに、世界の無電化地域に安心安全な電気を供給していくことを目指しています。
かかるビジョンの実現に向けて、当社は2015年12月に風洞実験を実施し、風速20m/sでの安定発電を実証した後、2016年8月より、沖縄県南城市にて、本風力発電機の出力1kW程度の試作機(以下、「当社試作機」という。)を設置し、フィールドテストに取り組むとともに、世界初の「台風発電実証実験」に挑戦しています。
当社試作機による実証実験においては、現在までに、台風13号の接近時(最大瞬間風速20m/s)には停止することなく稼働し、発電し続けることに成功。また、台風18号の接近時(同 25m/s)には、円筒翼を停止させることで非常ブレーキを使用することなく安全に停止し続けられることが確認されています。
当社は、今後も引き続き沖縄県南城市にて実証実験を実施します。
(沖縄県南城市に設置している当社試作機。後ろに見えるのは沖縄新エネ開発株式会社のプロペラ式風車)
3.今後の事業化計画
当社が開発する本風力発電機は、風速変化および風向変化の激しい台風のような環境化でも、故障・事故に陥らず、安定して発電できることを最大の特徴としています。
これまでに多くの研究機関、事業者、自治体などにヒアリング調査をしてきた結果、本風力発電機の10kW機を事業化することにより、台風被害を被る離島のような地域で災害時にも安定して電力を供給することができれば、ディーゼル式発電によらず、通信、医療をはじめとするライフラインに必要な電源が確保できると考えるに至り、2020年の量産販売開始を目指して、当社試作機の約3倍の大きさ(当社推定)となる10kW機の開発を進めることといたしました。
さらに、2020年以降も本風力発電機を大型化していき、日本や東南アジア地域の気候に対応した風力発電機として再生可能エネルギーの普及を促進し、世界的なエネルギーシフトの実現に貢献してまいります。
今回の助成金採択および資金調達、ならびに過去に実施したエンジェルラウンド等の資金調達で得た総額1.5億円の開発資金により、10kW機にかかるコア技術の開発を行い、10kW機の事業化を加速させていきます。
■垂直軸型マグナス風力発電機について
プロペラの代わりに、回転する円柱が風を受けたときに発生する「マグナス力」を用いて風車を回すことで発電する垂直軸型の風力発電機です。円柱の回転数を制御することで風車の暴走を抑えることができるため、台風のような強風時でも発電できます。
■台風発電実証実験について
台風時に風力発電機を暴走することなく安全に稼働させたのち、安全に停止させる実験をいいます。なお、一般のプロペラ風力発電機は風速25m/sを超える強風下においては、暴走を避けるため停止させる設計となっています。
■リアルテックファンドについて
株式会社ユーグレナの100%子会社である株式会社ユーグレナインベストメント、SMBC日興証券株式会社、株式会社リバネスが 3 社で設立した「合同会社ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル」が管理運営するベンチャーキャピタルファンドで、リアルテック(※)ベンチャーの投資育成を主目的としています。参加企業は合計23社、ファンド規模は75億円(2016年10月現在)で、日本最大級のリアルテック特化型ファンドです。
※リアルテックとは:地球と人類の課題解決に資する研究開発型の革新的テクノロジー
【お問い合わせ先】 株式会社チャレナジー(担当:宮﨑) E-mail: [email protected]
以 上
【PDF】
161117_newsrelease.pdf